――そう決意して一週間後。ルイナードが帰還したのは、唐突だった。
妊娠5か月目に突入していた私は、この日の午後、ハリス先生による診察を受けていた。
「近頃、お腹が目立つようになってきましたね。赤ちゃんもアイリスさまも元気で、わたくし共もとても嬉しくございます」
「ありがとう、ハリス先生。私もここ数日で、この子の動きが大きくなってきて驚いているの」
経過は、極めて順調。
赤ちゃんはムクムクと成長を続け、日常のなかで何度となく動きを感じられるようになっていた。
この小さな存在は、ぼんやりと考えこんでしまいそうになる私をいつだって励ましてくれる。大切な宝物だ。
そして、この日も何事もなくスムーズに診察終え、ハリス先生見送っていた。
――そのときのだった。
「――アイリスさま!」
外へ洗濯に行っていたはずのサリーが、まだ締まりきらないドアから、いきなり飛び込んできた。
息を乱したまま、そのままの勢いで口にする。
「ルイナード陛下が、帰還いたしました!」
――え?
帰還の知らせは、唐突に訪れた。私の足は反射的に玄関口へと向かっていた。



