それから、俺たちは当たり前のように、毎日を共に過ごすようになった。
その頃の俺に公務は少なく、午前中の勉学を終えたあとは必ず、花壇の前で花の世話をする彼女のもとへいく。俺が寝込む事が少なくなってきたのも、この頃からだっただろうか。
アイリスはそこで、嬉しそうに近づいてくるなり、絶え間なく花のうんちくを聞かせてくれるんだ。
幸せだった。
この花は暑さに強いとか弱いとか。
虫が付きやすいとかそうでないとか。
花言葉だとか、名付けられた理由だとか。
本当のことを言えばちっとも興味ない。
しかし、アイリスは隣にいるだけで、ものすごく嬉しそうな顔をする。
俺もそんな彼女の隣が心地よい。生意気で、でも素直で、とっても優しくて。まさに花のような彼女。
共にいればいるほど、心が洗われるような気分だった。
『今日もブルースターが、とてもキレイに笑ってるわ。ねぇ、ルイナードもそう思うでしょ?』
『俺にはわからぬ。⋯⋯まぁ、悪くないんじゃないのか?』
『もう、いつもきょーみなさそうね。本ばかり読んでぇ。花もキレイなのよ』
興味はないが、彼女がブルースターを一番好きであることと。その花言葉くらいは覚えてしまった。
いや、覚えたんだ。そのもうひとつの意味だって。喜んでくれるかと思って。



