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「――にしても、まさかこんなに沢山の書物が揃っているなんて」
本棚と向き合ってしばらく。私は予想以上に書物の種類が豊富であることから、憤慨していた気持ちを忘れていた。
棚にみっしりと詰め込まれている本の数々。恋愛ストーリーから歴史書、図鑑や実用書にまで多岐にわたり、花に関する資料もとても充実している。
まるで、誰かが私のために取り寄せてくれたのではないかと思うほどに。
昔の――4階の南側。執務室の隣にあった書庫は小難しい、法律やら規則やらの教育書ばかり置いてあって、私は彼ら――二人の幼馴染が読んでいる合間に眠ってしまうこともあった。
ふと、さっき悲しげに去っていったもうひとりを思い浮かべる。
マーシー。どうしているのかしら⋯⋯。
「――にしても、まさかこんなに沢山の書物が揃っているなんて」
本棚と向き合ってしばらく。私は予想以上に書物の種類が豊富であることから、憤慨していた気持ちを忘れていた。
棚にみっしりと詰め込まれている本の数々。恋愛ストーリーから歴史書、図鑑や実用書にまで多岐にわたり、花に関する資料もとても充実している。
まるで、誰かが私のために取り寄せてくれたのではないかと思うほどに。
昔の――4階の南側。執務室の隣にあった書庫は小難しい、法律やら規則やらの教育書ばかり置いてあって、私は彼ら――二人の幼馴染が読んでいる合間に眠ってしまうこともあった。
ふと、さっき悲しげに去っていったもうひとりを思い浮かべる。
マーシー。どうしているのかしら⋯⋯。



