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広大な敷地内にそびえるグランティエ城には、総勢五百部屋近くの部屋数があると言われている。
一階には謁見の間や来客をもてなすための大広間が数多く集い、ニ〜三階には、城で働く使用人たちの部屋多く備えられている。さらに四階には皇帝の公務や趣味で使用する部屋が揃い、五階には皇族の――私とルイナードの持て余すほど広い住居スペースが存在する。
そして―――。
ルイナードが私を連れてやってきたのは、私が今まで足を踏み入れることを避けていた、四階だ。
平常を装いながら、伸びやかな後ろ姿に続いていると、あまり使用されていない北側の最奥にある一室へと通された。
「ここだ」
「わぁ⋯⋯広い」
部屋の中央までやってきた私は、四方八方ぐるりと見回して。まるで童心に返ったかのような新鮮な気持ちが口からついて出てしまった。
書物庫だ。それもいつくかの部屋を貫いたらしく、とても開放感がある。
壁のように部屋を囲むのは、床から天井近くまでそびえる本棚。中央には読書スペースなのだろうか。豪華なテーブルセットや、大きな対面ソファなどのインテリアが配置されている。
広大な敷地内にそびえるグランティエ城には、総勢五百部屋近くの部屋数があると言われている。
一階には謁見の間や来客をもてなすための大広間が数多く集い、ニ〜三階には、城で働く使用人たちの部屋多く備えられている。さらに四階には皇帝の公務や趣味で使用する部屋が揃い、五階には皇族の――私とルイナードの持て余すほど広い住居スペースが存在する。
そして―――。
ルイナードが私を連れてやってきたのは、私が今まで足を踏み入れることを避けていた、四階だ。
平常を装いながら、伸びやかな後ろ姿に続いていると、あまり使用されていない北側の最奥にある一室へと通された。
「ここだ」
「わぁ⋯⋯広い」
部屋の中央までやってきた私は、四方八方ぐるりと見回して。まるで童心に返ったかのような新鮮な気持ちが口からついて出てしまった。
書物庫だ。それもいつくかの部屋を貫いたらしく、とても開放感がある。
壁のように部屋を囲むのは、床から天井近くまでそびえる本棚。中央には読書スペースなのだろうか。豪華なテーブルセットや、大きな対面ソファなどのインテリアが配置されている。



