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「カルム! すぐさまアイリスの部屋に医師をよべ。俺はこのまま先に向かう」
食堂内は一気に騒然とした。
外で待機していたカルムを呼び付け、俺は彼女を抱き上げ部屋へと急ぐ。それを合図にすぐさま侍女たちも動き出し、もとよりロルシエ家につかえていた侍女に関しては、俺の横を全力で駆け抜け部屋へと先回りをしたようだ。
力の抜けきった小さな身体。息はしているようだが呼びかけにはまったくない応答しない。
もしや、昨夜も体調を崩して懐妊が判明したのか⋯⋯?
とてつもなく大きな恐怖が身体を駆け巡る。
昼間も顔を合わせたというのに、なぜ気づいてやれなかったんだ。
身籠ったばかりの、まだ心身ともに不安定ななか、無理矢理つれて来るよう命じたのは俺だというのに――。
俺が見ていなくて、どうする⋯⋯。
俺のわがままで、彼女を巻き込んでいるというのに―――
「カルム! すぐさまアイリスの部屋に医師をよべ。俺はこのまま先に向かう」
食堂内は一気に騒然とした。
外で待機していたカルムを呼び付け、俺は彼女を抱き上げ部屋へと急ぐ。それを合図にすぐさま侍女たちも動き出し、もとよりロルシエ家につかえていた侍女に関しては、俺の横を全力で駆け抜け部屋へと先回りをしたようだ。
力の抜けきった小さな身体。息はしているようだが呼びかけにはまったくない応答しない。
もしや、昨夜も体調を崩して懐妊が判明したのか⋯⋯?
とてつもなく大きな恐怖が身体を駆け巡る。
昼間も顔を合わせたというのに、なぜ気づいてやれなかったんだ。
身籠ったばかりの、まだ心身ともに不安定ななか、無理矢理つれて来るよう命じたのは俺だというのに――。
俺が見ていなくて、どうする⋯⋯。
俺のわがままで、彼女を巻き込んでいるというのに―――



