星野君はもしかしたら少しあざとくてずるい人なのかもしれない。



私は心の中でそう思った。



「叶瀬?」
「は、はい!」
「大丈夫?熱でもあるの?」



そう言うと星野君は私の顔を覗き込むように自分の顔を近づけた。



ドキン



「う、ううん!ないよ!大丈夫!」
「そう?ならいいんだけど、無理しないでね」
「うん、ありがとう」



いきなり顔が目の前に近づいてきたからびっくりした!それと星野君が顔を近づけた時の胸の鼓動は何だったのかな。



私はドキッとした胸の鼓動に動揺していた。その胸の鼓動の名前を知るまであと少し。
この時からなのかもしれない、私が彼に恋をしたのは。