学校を出た私たちはクレープ屋さんに向かった。



「決めた?夢ちゃん」
「う〜ん、どれも美味しそうだから迷っちゃうな〜。う〜ん。私、ストロベリークレープにしようかな」
「じゃあ私は、チョコレートクレープにしようかな。すみません、チョコレートクレープとストロベリークレープひとつずつ下さい」



私たちは、それぞれを注文して出来上がったクレープを口に頬張った。



「やっぱり学校帰りに食べるスイーツはいいね!」
「そうだね」
「···夢ちゃんはさ、気になる人とかいないの?」
「へ?」



雪ちゃんがいきなりそんな事を聞いてきた。



「なんでそんな事聞くの?」
「だって夢ちゃんは本当は可愛いからさ」
「そんな事ないよ!日菜ちゃんの方が可愛いし、美人でしょ!」



日菜ちゃん、目おかしくなっちゃったのかな私が可愛いわけないのに。



「いやいや、私より夢ちゃんの方が可愛いよ。夢ちゃんは鈍感だね。まぁそんな所がいいんだけど」



そう言いながらまたクレープを頬張った。



鈍感?そんな事考えたこと無かった。
だって私は可愛くないし。



「···日菜ちゃんは気になる人はいないの?」
「う〜ん、タイプの人いないんだよね」
「そうなんだ」



こんな私にも気になる人ができるのかな。
いつかそんな日が来るといいな。
私は密かにそんなことを思っていた。