「ふ〜終わった!手伝ってくれてありがとう!星野君のおかけで早く終わったよ!」
「役に立ててよかった」



彼はそう言ってにっこり微笑んだ。



う、その笑顔はずるいよ。



彼の笑顔は私の心をかっさらっていくくらい破壊力がある。



「でもなんでダンボールなんか持ってたの?」
「あっそれはね、担任の先生に頼まれちゃって、困ってるようだったからこの仕事を引き受けたんだ」



すると星野君はふわっと笑ってこう言った。



「やっぱり叶瀬は優しい人だね」



ドキン



まただ。またあの時の胸の鼓動



星野君の笑顔は眩しいくらい輝いているし直視できないよ。



そう思い私は俯いた。



そんなことを思っていた時、私の頭に優しく星野君の手が乗った。



私は驚いて顔を上げた。



「頑張り屋で他人思いだよね叶瀬は。でも女の子だし頑張りすぎないかいつも心配」
「そんなに心配かけちゃってた?」
「うん。でも叶瀬のことだし人のために頑張る人だからなって思って言わなかった」
「ごめんね、いつも心配かけちゃって。でもありがとう、いつも気にかけてくれて」



そう言った私の心は何故かふわふわしていた。その感覚に私は疑問を持っていた。



なんで今とても嬉しいと思ってるんだろう。もしかして、星野君に女の子扱いされたから?はぁ私って単純だなぁ。
こんなことで舞い上がっちゃうなんて。
でももし星矢君に女の子扱いされて嬉しいって言ったらどんな反応をするのかな。



そんなことを一人頭の中で考えていたら頭上から心配する星野君の声が聞こえてきた。



「叶瀬?大丈夫?具合でも悪いの?」
「う、ううん!大丈夫だよ」
「そう?ならいいんだけど、気をつけてね。じゃあ俺少し用事があるからまた明日ね」
「うん!手伝ってくれてありがとう!」



そう言って彼を見送った。彼の姿が見えなくなった後、私は自分の胸に手をやってみた。



ドキンドキンドキン



なんでこんなに胸がドキドキしてるの?
この鼓動がどうしてこうなるのか
理由が知りたいよ。



そんなことを一人思いながらその場に突っ立っていた。



「さっきのって千真君だよね?あの女の子誰?あんな子いたっけ?」
「さぁ、分かんない。でも、あんな地味な子がなんで千真君の隣にいるの?」



他の女の子に見られていて、そんなことを言っていたことも知らずに。