☆表の顔と裏の声★

***

気付くと私は救護室のベッドに横になっていた。

「大丈夫ですか?」

声をかけてきたのは女性の警察官。

はっきりしない記憶の中で状況を整理し、
とりあえずジェスチャーで声が出ないと訴えた。

「お話が難しいんですね。今紙とペン用意しますから、耳は聞こえますか?」

私は小さく頷いた。

「安心してください。あなたに痴漢をした犯人はその場で確保されましたので。」

あんなに怖かった痴漢の事よりも、病院で待っている裕也の事が気になった。

【これから病院に行く予定だったので、先生に電話をしていただけますか?】

そして名前と電話番号を伝えると、駅員さんが
裕也に電話をかけてくれた。