高校生になってもだらだらとカウンセリングに
通い続けていた私は、1人だけ取り残されている
気がしていた…

訓練をして微かな声が出るようになったけど、
男の人は、まだ怖い……
未だ2人きりになる事も声を出す事も出来ない
状態で、蓮やれいのようにアルバイトをする事も当然無理だった。

そんな私が見つけた、1人で夢中になれるもの……

「お、青木まだ残ってたのか」

「!!……」

急に扉が開き驚いた私は持っていた筆を床に
落とした。

「ごめん、ビックリしたか!?そろそろ片付けて暗くなる前に帰るんだぞ」

「はぃ……」

私は美術部に入り、いつも最後まで残って
1人黙々と絵を描いていた。