気付けばもうすぐ冬になる頃。

「七海~そんなに勉強してると体壊しちゃうよ」

「そういう蓮は、体壊すくらい勉強した方がいいと思うけどね~」

「ぅふ……」

「あれ?今七海の笑い声聞こえたよね!?」

「七海の声かわいいぃ~!」

「蓮……キモい。七海に嫌われるよ」

「ふふ…」

一瞬の笑い声や咳払いなどは、時々出るように
なっていた。
けれど会話はまだまだ無理で、
いつまでもメモに頼ってしまう。

【2人のおかげだよ】

「七海の心が晴れてきたんだよ。
よし!3人で合格出来るように頑張るかぁ~!」

2人のおかげ。それは絶対確かなこと。
でもそれだけじゃない……
あの人に会えなくなってからも、
あの人に声を聞いてもらいたくて、
その想いが私を少しずつ強くしている気がした。