急いで階段を駆け下りて、玄関を飛び出し花壇に
向かって走り蓮を見つけた瞬間、

「…ぇ゛、ぅ゛!」

必死に名前を呼ぼうとして絞り出した私のうめき声は、蓮に届いた。

「…七海!」

そこからお互いゆっくり歩いて近付き、
目の前まで来た途端蓮は私を抱きしめて、

「……俺、七海が好きだよ…」

って……それ、今言うこと…?
と思いながら私は固まっていた。