☆表の顔と裏の声★

私は1人で、あの事件以来近付く事の
無かった両親のお墓に行った。

「遅くなって…ごめんね、お父さん」

「寂しかったよね…ごめんね、お母さん」

それぞれのお墓にお参りをして、長年私の心の奥に潜んでいた恨みは、消えていくのが分かった。


帰り道、1人で歩いていると遠くから
声が聞こえる。

(ななちゃん……ありがとう)

やっと…やっと聞こえた、両親の声。

その声に私は思わずその場にしゃがみこんで
泣いていると、

「七海、大丈夫だよ」

裕也が迎えに来てくれていた。

「裕也くん…」

私の全てを受け止めてくれる裕也に飛び付いた。

「ハハハ、七海はいつも俺に抱き付いてくるなぁ」

「だって、初めて会った時から聞こえてたから…
裕也くんの声が。七海、大好きだよって。フフフ」

「俺も聞こえてたよ…裕也くん、大好きって。」


抱き合いながら見つめ合う私達は、本当の笑顔になれて、キスをしながら心の声を聞いていた。


(大丈夫。2人なら、もう大丈夫だよ)



                END