「知らない」
(知らないって…。まあ、せいちゃんらしいというかなんというか…。)
「あ、そうそう。さっき莉華から聞いたんだけど」
わたしがそういった途端、“ガチャ”
「有季!」
「莉華〜!どうしたの?そんなに慌てて」
莉華が走ってわたしに抱きついてきた。
「奏と付き合うことになったの!」
「そーゆーことなんで」
奏ちゃんが、誇らしげな顔をしている。
「ええ!?おめでとうだね!」
「おめでと」
せいちゃんも嬉しそう。って他のふたりはまだ戻ってこないの?
「ねえ、月と渡辺くんは?」
行方の分からない2人のことを聞いてみた。
「2人なら応接室のソファで寝てたわよ」
「せいちゃん、わたしたち何で寝るの?」
「寝袋……って、あ。先生に頼むの忘れてた」
せいちゃんがあ。とか言いながら衝撃発言をした。
「ええ!じゃあどう寝れば……。ソファも2つしかないし」



