君の想いは僕のもの。





「沙耶さんのご飯食べれるかな!?」



「うん。食べれると思うよ。有季の両親は夏休み帰ってくれるの?」



わたしの両親は、ピアニストで、夫婦で活動している。



「帰っては来るんだけど、日本でのコンサート立て込んでてゆっくりは出来ないって!」



わたしの両親は、年に1ヶ月間も家にいない。



「そっか。俺も顔見せに行こうかな」



「うん!きてきて!」



「有季〜?終業式いくわよ?」



「まって〜!莉華!」



終業式での校長先生の話はとても長くて、奏ちゃんなんか立ったまま寝ていた。



「ふわぁ〜…。おわったおわった〜」



「奏、寝てたでしょ?」



「うん。眠くて」



わたしとせいちゃんの後ろで仲良さそうに話している莉華と奏ちゃん。



「2人、仲良しだね」



せいちゃんがほのぼのとした笑顔でわたしにそう言った。



「うん。莉華、元気そうで良かった」



「そっか。すごい心配してたもんね」



せいちゃんには何も言ってないのに、いつも私が思っていることを見破ってしまう。



「せいちゃんは私の事なんでも分かっちゃうね」



「でしょ。なんでだと思う?」