(せいちゃんみたいになんでも上手にできる訳じゃないんだよ?わたし。)
「じゃあ、たくさん練習しよっか」
「れ、練習って……!?」
「いーっぱい、ちゅーしよ」
「ええ!?」
どうやら、帰ったらとても甘い予定ができてしまったようです。
「そろそろ戻ろっか」
そう言って、せいちゃんはわたしの手を取った。
せいちゃん慣れてるな〜。とかは思うけど、ずっとせいちゃんはわたしの近くにいたから、こういう付き合いがほかの女の子とはないのは知っている。
だから、せいちゃんのこれは天性の才能なんだと思う。さすがせいちゃん。
「どうかしたの?」
「う、ううん。なんでも」
「有季ー!交代!」
莉華が大きい声でわたしたちを呼んだ。
「はーい!今行く!」
そう言って走ろうとした途端、
「有季」



