「わたし、厨房の子達に迷惑かけてるじゃん。これ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。有季は、変なところ気にしすぎなの。ちょっとは力抜いて?ね?」
そう言って、肩をポンポンしてくれる。
「うん……」
「有季は、任されたことをちゃんとやればいーの。わかった?」
「はーい……」
せいちゃんにそう説得されたので、わたしは気持ちを切り替えて頑張ることにした。
「2年5組で喫茶店やってまーす。良かったら来てねー」
王子様スマイルのせいちゃんがそう言うと、たくさんの女の子たちがこちらに注目する。さすがせいちゃんだ。
〈ほんとかっこいいよね〜。吉崎くん〉
〈ここら辺の高校じゃダントツで1番!〉
〈いやいや、日本で1番レベルじゃない!?〉
(だよね。やっぱりそうだよね!!)
わたしは、ほかの学校の制服を着ていた学生さんに共感してしまった。
〈でもさ、あの〜さっき女装してた男の子もかっこよくなかった?〉
〈あー、わかる!なんて名前だっけ!?〉
(せいちゃんに負けないイケメンがこの学校にまだいたの!?)



