君の想いは僕のもの。




しばらくして、2人が体育館裏にやってきた。



「あー!2人とも!やっときた!」



「うわあ。ほんとに気絶してる。白目までむいちゃってるじゃん」



春ちゃんが興味深そうに裕也を眺めている。



「あ、そうだ!これ有季ちゃんにお土産!」



そう言って、春ちゃんが差し出したのは、綿あめだった。



「ええー!やったー!ありがと!」



「るー運んでる途中で見つけたんだけど有季ちゃん好きだったよなって思って買ってきた!」



「春ちゃん大好き〜!」



そう言って、春ちゃんに思いっきり抱きついた。



「るー?いきろー?」



奏ちゃんが月の意識を取り戻そうと頑張ってくれている。



「皆の前でキスされたのがよっぽどショックだったみたいで、さっきからずっとこの調子なの……」



春ちゃんが月を見ながら心配そうな口調でわたしたちに教えてくれた。



「わー。それは、かわいそうだな」



せいちゃんがニコニコしながらそう言った。



「せーい?今ニコニコするところじゃない」