凛兄の言葉に、僕は凛兄を見つめる。

「テオは……実は、俺がユキヤ様に仕えていた頃からいたんだ。ずっと、ユキヤ様の命を狙っていた……ユキヤ様が亡くなった今、テオは冬都を狙っている。冬都が、ユキヤ様の生まれ変わりだからな……だから、俺は白い花の髪留めを作って、その髪留めにユキヤ様の能力を封印した」

「……」

僕は、テオと戦って白い花の髪留めを壊された時のアイビーの言葉を思い出した。

確か、僕の力を髪留めに封印してたって言ってたような……その言葉の意味、やっと分かったよ。

「……つまり、凛兄は僕がユキヤ様の生まれ変わりだってことをテオに気付かれないように能力を封印したってわけか……」

僕がそう言うと、凛兄は「そう言うことだ」と笑う。

「まぁ……髪留めが壊れたことで、テオも気付いたと思う。それに、封印が弱まっていたから髪留めを簡単に破壊出来たんだろう……あの髪留め、特殊でな……封印が強ければ強いほど、髪留めは大きな衝撃でも壊れないようになるんだ」

そう呟いて、凛兄は窓に目を移した。



あれから数日後の放課後。僕は、カバンを肩にかけて通学路を歩く。

僕は、とある場所でふと足を止めた。そして、空を見上げる。

「……鳥になりたい」