『あのさ』
「ん?」
『サオリさん…』
「……」
『ガラス越しで見えて…覗いてた、よね』
「悪い。見えてたのか…」
『と言うより…』
「なんだ?」
『目が合った気がした…』
「それで震えてたのか」
『…うん』
「キスも、アイツのせいか」
『…うん』
どうにかしないと、と思ってとった行動だったけど私でもなんであんなことしようと思ったのかよく分からない。
何で、何でなんだろう。
自分が、分からない。
自分で自分の条件を破った…こんなことは初めてのことで、また頭が混乱し始める。
『ごめっ…キスは忘れて。気にしないで』



