そうすると震えはだんだんと落ち着いて、そして止まった。
冷静になった私は考える。
やっぱり…やっぱり私が彼女に感じたソレは間違いじゃなかったらしい。
誠人はそれに困っていて、悩まされていて、苦しんでるんだと分かった。
まずはこの場をどうにかしないと…そう思って私がとった行動は。
『誠人…キスして』
私の予想外な行動にポーカーフェイスを保つ彼だけど、目は同様を隠せないでいる。
私の笑みに一瞬戸惑った彼だけど。
「沙夜」
甘く名前を囁いてからその手で顎を持ち上げると、自分のそれを私のそれに重ねた。
静かな部屋にわたあめのように甘い音が響く。



