『嘘つきだね。手なんて出さないくせに』
__手が少し震えてるよ?
私がそう言うと彼は顔を歪ませてゆっくりとどいた。
重みがなくなったことによって体を起こす。
再び久志くんを見ると少しだけ困ったような顔をしていた。
私はなんでそんな顔をしたのか分からず、今のことを少しでも反省とかしてんのかな?少しはしていてくれたらいいんだけど…なんて考えていた。
久志くんはカッコいいし母性本能をくすぐってくる可愛らしさもある、優しいところだってあるし、そして多分Sだ。
なんといってもあの最高の笑顔。
あれにはどの女子だってときめかずにはいられないと思う。
久志くんにはもっといい彼女ができるから、こんな風に私と付き合うのは辞めてほしい。
「…相楽先輩」
『なに?』
「帰りましょうか」
久志くんはそう言ってまた私の手を握った。
そして公園を出て私の家へと向かう。
その間、私たちに会話なんてなくて、ただ無言だけが続き、風の切る音…車が走り去る音…周りの人の声がやたらと耳に入った。
私から喋ることなんてないし、久志くんから話しかけられる様子もないので私は久志くんを知ることにした。



