『え、あ…その』
これじゃあ心臓がいくつあっても足りなさそう。
「手は出さない、条件を破ることになるからな」
『分かった、行く』
驚いたことに、このとき初めて自分で作った条件を邪魔だと思った。
誠人から離れたところでお母さんに彼氏の家に行くと言ったら「行っていいよ。でも手ぶらはしないでよ?」とすんなり許可を得た。
今までこんなことなかったのに驚きだ。
『大丈夫だって』
「じゃあ行くか」
今度は肩を抱くことはせず手を繋いできた誠人。
指の間に彼の指が割って入ってきて…恋人繋ぎとなる。
バスに乗っている間、どうしても繋いでる手に意識がいってしまい、時間なんてよく分からなくてユラユラと揺られていた。



