私はというと肩を抱かれたせいで誠人との距離はなくなり1人だけドキドキしていた。
いい匂い……さっきの人のものとは全然違って爽やかなスッキリとしたシトラス系の香り。
あぁ、この匂いは好き…。
「おい、匂い嗅ぐのやめろよ…」
『へ?あ、ごめんっ』
誠人に言われ、いつの間にか胸元の匂いを嗅いでしまっていたことに気づき頬がカァッと赤くなるのが分かった。
更に鼓動が速くなる、加速していく。
静まれ、静まれ。
ドキドキと加速する心臓にそう言い聞かせて、やがて落ち着きを取り戻した。
「沙夜先輩」
『何?』
「今日、帰り遅くなっても大丈夫?」
せっかく落ち着かせた心臓が__________
『連絡入れれば…』
また、ドキドキと_________
「俺の家来ない?」
_________…加速する。



