誠人は恥ずかしいようで耳を真っ赤にしていて「うるせぇよ」と一言。
『誠人』
「…んだよ」
『嬉しかった』
「……」
『ありがとう』
「あぁ」
誠人が返事をしたところで会話が自然と終了。
私たちと同じように帰宅するサラリーマンやOLたちが横を通り過ぎていく。
『……っ、う』
私の横を通った男の人の香水が鼻を掠めた、けどそれはいい匂いなんかじゃなくてツーンと鼻が痛くなるような私の苦手な香り。
そんな香りに顔をしかていると「どうした?」と頭上から降りかかった彼の声。
『いや、さっき通った人の香水がきつくて…』
と言うと誠人は私の肩を抱いてきてスンスンと残り香を嗅いで「うわ、甘ぇ」と私と同じように顔をしかめた。



