席に着いたと同時に私の元へトコトコとよってきたのはこの学校で、いや…今までで唯一の友人であるユカ。



「おはよう」

『おはよう、ユカ』

「またまた来たね~」



そう言うユカに、私は溜め息を1つ吐く。



『ん。本当私の何がどこがいいのか分からないけど』



拒まず、の私だけど毎度そう思いながらOKを出している。

私は…自分の良さが分からないでいる。


そう、昔からずっと。

知ろうとしないのか、知りたくないのか、それとも誰かに教えてもらいたいのか…分からない。



「私は知ってるよ。沙夜の良さ」

『けど、あの噂は噂でも傷つくっての』

「あぁ…あれ。
゛北高2年の相楽 沙夜は凄い遊び人。誘ったり告ったりしたらすぐ遊んでくれる。だけど、遊んでもらった奴はどんなことをして何があった、など一切口にしない。その代わり皆口を揃えてこう言う『相楽 沙夜には本気になるな』゛だったよね?」

『そう、それ。実際私は_____』



そこまで言って…口を噤んだ。

周りがいつも以上にこちらを見ているから。


その目には私が今言おうと思ったことを踏みつぶすようなことが書かれてる…というかその目が言ってる。


゛何?遊んでないって言いたいわけ?゛


あぁ…失敗したな。

本当、私はなんでそう言おうとしたんだろう。