『誠人』



「何?」



『今日さ、助けに来ないんじゃないかって怖かった……男達も、体に這う手もっ…気持ち悪かったっ』




結果助けてくれて最後までいかずに済んだけど。




『だけど今度は…誠人のことが好きな人がやるかもしれないっ』




それが…すごく怖い。
考えただけで体が震えだす。




『“同じこと”には、なりたくない』




あんな思いは二度としたくはない。

だから___私は決めた。




『誠人…別れよう』




貴方と別れることを。



「何言ってんだよ」

『ごめんね…』

「沙夜ッ!!」

『さよなら』



誠人が何かを言う前に家の中に逃げ込んだ。
足の力が抜けてズルズルと座り込む。



『…っうぅ……』



言い逃げして、しまった。
誠人…納得してないだろうな。



『…っ、ごめんね』


ごめんね、誠人…。