「近づくなって関わるなって」
だから、それは無理なんだって。
「なのにアンタは家にまで上がり込んだうえに部屋があるですって!?」
それは私が家族だからよ。
それはあの家が私の帰るべき場所だからだよ。
「許さない!絶対許さない!」
許さないって何?
何で私こんなことになってんのよ。
「アンタたち向うに着いたらこの子好きにしていいから」
「ラッキー。体調ヤバそうだけどいいやぁ」
「マジで?コイツ相楽沙夜だろ?」
「俺すっげー楽しんじゃうよ?」
なんでこんなことになってるのか?そんなの考えなくたって分かりきってるじゃん。
今まで男の子を弄んできたそのツケが回って来てるんだよ。
本当最悪っ。
私も人のこと言えないじゃん。
私だって今この状況をなんていうのか知ってる。
“自業自得”
世の中の人たちは私にそう言うに決まってるから。
15分くらいだろうか?それくらい走ったころ着いたのは古いアパートで、床に投げつけられた。
抵抗はしない、今の体調じゃできるものも出来ないし、しても無意味だと知っているから。
女の力が男3人の力に勝てるはずがないのは一目瞭然。
誠人は私が早退したことを知らないだろうから。
あ…でもユカが連れ去られるところを見ていたし、もしかしたら知っているかもしれない。
だけど、ここがどこか分からないけど、間に合うはずがない。
男が制服に手をかけていく。
「泣かねーの?つまんねぇ」
「まぁまぁ、これから沢山泣かせてやんだからさ~」
「それもそうか」
男たちのやり取りが朦朧とする意識の中、何故だかよく聞こえる。
気持ち悪い息遣い、気持ち悪い囁き、気持ち悪くて汚い笑い声。
吐きそう、吐きそう、吐きそう。
前、学校で襲われかけたときのものとは比べ物にならないくらいの恐怖、吐き気、震え。
それらは止まらず遠慮なく続く。
汚い手が私に触れていく。
男たちはニタニタ笑い、私の頭を鷲掴みにした時___地面が割れるような爆音がした。
「何だッ」
「誰だよ!!」
「俺、外見てくるッ」



