早く…少しでも早く気づいていればあぁならずにすんでいたのかもしれない。
___祝日の今日、家族全員の都合が合い都合が合い出かけることにした。
私は基本暇人だからこの日元々空いてたんだよね。
「親父と瞳さんは先に行ってろよ。俺大学に取りに行かなきゃなんねーもんあっから」
と言う千也。
『あ、私もおかあ__』
「千也と行っといで」
お母さんたちと一緒に行くと言いかけた時、正一さんに遮られてしまい「大学も見学してくればいい」と言われ、千也と行きたくないと言えなくなってしまった。
うわぁ…マジですか。
心の底から嫌だなと思っている私がいる。
『お兄ちゃ___』
「お前は俺と一緒」
『はぁ!?』
ハッキリ千也とは行かないと言おうとしたら、さすがは親子私の言葉を見事遮った上に、二の腕を掴まれ車まで強制的に連れていかれていつかこんなことあったよね!?とあの時と同じように車の中に押し込まれた。
『いった』
肘を打ってしまいジーンと地味な痛みが私を襲った。
「ちゃんとシートベルトしろよ」
と言いながら運転席に座った千也に苛立つ。
『お兄ちゃん痛かったんだけど』
「あ?」
『お兄ちゃん周りの女の人にもこんな扱いしてんの?』
「千也って呼べよ」
『……』
誰が呼んでやるもんか。
それに私は一度も千也って呼んであげてない。
それは私の中で決めたこと。
私がシートベルトしたことを確認すると千也は大学に向かって車を走らせた。
流れる音楽に耳を傾けて外を見る…けど運転する千也の呼ぶ声がすっごい耳触りで仕方ない。
「おい」って何回言うのよ、いい加減諦めろって。
キィィっと止まったかと思ったらどうやら信号にかかったらしくさっきよりも多く呼びかけてくる。
「おい沙夜」
『おいおい五月蝿い!』
「聞こえてんじゃねぇか」
そりゃ聞こえてるわよ、当たり前でしょ。
完全シカトされてたと分かっているのにしつこい男。
『しつこい男は嫌われるよ』
ていうかすでに、この私に嫌われちゃってますけどね。
心の中で毒を吐くとべーっとした。
冗談なのか、千也は「お前には嫌われたくねぇな」と言って信号が青に変わったため車を再び走らせた。



