体に付いた泡を洗い流してバスタオルでさっさと拭いていき下着、制服と身に着けていく。
下着も制服もピッタリで着心地がいい。
脱衣所を出て再びリビングに向かえば朝ご飯を作り終えたお母さんといつ起きたのかスーツをビシッと着こなした正一さんがいた。
正一さんは今日も素敵な笑顔で「おはよう」と言ってくれて、それが嬉しくて笑顔でおはようと返した。
朝ご飯が並べられたテーブルに近づいて椅子を引き、腰を下ろすと手を合わせ「いただきます」と言ってもう慣れてしまったお母さんの味の料理に手を付ける。
美味しいんだけど…何か違和感。
これにもしばらくすれば慣れてしまうんだと思うと恐ろしい。
「沙夜ちゃん」
『はい?』
「恋人はいるかい?」
『…ングッ』
正一さんから唐突の、しかも予想外の質問に動揺が隠せず戸惑い焦る私。
突然!?いや、これ聞いてどうすんの?
とりあえず目の前に置いてあったコーヒー牛乳をほとんど飲んで落ち着きを取り戻し、冷静な自分を作る。
『恋人はいますよ』
「そうか。幸せかい?」
幸せ?誠人と付き合って?
『そうですね。幸せです』
陰口とか色々あるけど、それでも私は幸せ。
だけどその幸せが壊れる日が近づいているなんて今の私は知りもしない。