【福澤 千也side】
俺の腕の中で眠りについた沙夜の寝顔が、無防備で死ぬほど可愛い。
ぶつかったあの瞬間俺の好みストライクゾーンで“あぁ、俺の女にしたいな”て思った。
自分で言うのもなんだけど、この遊び人の俺が特定の女を作ろうと思った。
隣の奴が彼氏ってのは嫌でも分かったけど、奪いたいと思ったしフラれたけどやっぱ欲しいとも思った。
沙夜とぶつかったあと、一度家に帰った俺はスーツに着替えてた。
それは親父が付き合っている女とその娘と食事っつーからだ。
だけど運命は俺の味方なのか敵なのか____親父の恋人の娘が欲しいと思った女だった。
また会いたいと思った直後に会えたが…俺の妹になると言う事実に目の前が暗くなって眩暈がし、頭の中が真っ白になった。
これは夢だと言い聞かせたが現実はそう甘くなく…。
しかも会いたかった女の名前は“相楽 沙夜”。
俺の大学でも有名なあの“相楽 沙夜”だった。
だけどコイツは噂のような女じゃなかった。
強い女なのか弱い女なのか…泣きじゃくるし。
けどそんなところも可愛いと思ってしまった。
俺は沙夜を俺のベッドに寝かせてそっと部屋を出た。
【福澤 千也side end】