ただね、誠人が触れてこないのよ。
何なのよアイツ。
絶対!狼!しかも凶暴な欲の強い狼のはずなのになんで1ヶ月も手を出してこないの。
口には出さない思うだけ。
いっつもそう。
思うだけで言わないから今日のお昼、ユカがキレて今日絶対訊けって言ってきたのだ。
「じゃ、そゆことで頑張って〜」
『ユカっ』
それを明日誠人に確認すると言い出すし、これは訊かないといけないじゃん。
「沙夜」
『うわっ…ビックリしたぁ。背後からやめてよね』
後ろから声を掛けられたもんだから一瞬心臓が止まった気がする。
誠人は悪いと言って怒ってんの?と言うように私の顔を覗き込めばその整った顔に頬を赤く染めた私だった。
『っ大丈夫だから。怒ってないから。行くよっ!』
そう言って自分から誠人の手に指を絡めて歩き出す。
誠人はそれが嬉しかったのか、握り返してきてくれて顔を覗いてみれば少し照れている。
可愛いやつ。
『ねぇ、クレープ食べに行かない?』
私の提案に乗ってくれた誠人と、近くの屋台クレープに向かい、スベシャル全部のせクレープを私は頬張った。
あぁ、美味しい幸せ。
美味しくて甘くて、一口また一口と進む私に対し誠人はうめぇ!甘ぇ!すっぺぇ!とコロコロ表情を変えながら食べている。
ふふっ、犬みたいで可愛い。
そんなに美味しかったのかな?
『貰いっ』
誠人の食べるクレープの味が気になりだした私は隙を狙ってそれにかぶりついた。
『!!』
やっばい、こっちも美味しい!と感動していると…。
「沙夜、人のモン勝手に食ってんじゃねぇよ」
と拗ねる誠人が降臨。
ごめんと謝って私のスペシャルを食べさせてあげればうめぇ!と目をキラキラさせてすぐに機嫌を直した。
こういう時は本当犬のように単純なんだから。
そんなところも微笑ましく思っていると、通りすがった人と肩がぶつかってしまい少しよろけた私を誠人の逞しい腕が受け止めた。
『すみませんっ』
と相手を見て言えば…こげ茶の髪色でカッコよくセットされている。
顔のパーツはそこらのイケメンと呼ばれる人たちよりは上でとても爽やかそうなイケメ_____
「いい女発見」
爽やかって言ったの誰よ。
あぁ私が言ったんだ。
「俺と遊ばねぇ?」
どこが爽やかよ。爽やかの欠片もない残念なイケメンだ。
『は?』
意味が分からずそう零せば「俺と遊ばねぇ?」ともう一度言ってきた男の目は可笑しいんだろうか?
私の隣には誠人がいるんだけど?



