「言ったわ!」
第一声には言ってねぇよ!!
クソッ…クソクソクソ!
「どこだ!」
「多分、部室らへん!」
多分じゃねぇんだよ、1分1秒がおしいってぇのに。
゛保健室にでも行くと言っておけ ゛ということを伝え、勢いよく教室を飛び出して沙夜がいると思われる部室らへんへと向かった。
沙夜…沙夜、沙夜ッ!!
一体どこの野郎だ、俺の女に手を出そうってのは。
例のメールだって届いて見ているはずだ。
そんなに俺と魑櫻を敵に回したいってぇのか?!
クソッ…一瞬で沙夜の所に行けないのがもどかしい。
「あーッ、クソ……!」
ヤニのせいで息が切れやがる。
肺が苦しくなってきた。
やっと一階に着いた俺は全力で沙夜の元へと走る。
部室らへんに近づくと女の悲鳴が聞こえて、俺の何かが止まらなかった。
「沙夜ッ!!」
そう叫んで角を曲がった時____
「…まさ、とっ」
目に涙を浮かべて2人の男に押さえつけられ、1人の男には胸元をはだけさせられてる沙夜の姿が目に入った。
___プチン……
その瞬間、俺の何かが外れた。
「覚悟しろよ」
その場に地を這うような俺の声が響いた。
俺のキレた声にビクついた3人は、固まったまま俺を見据えている。
1歩近づけば3人は1歩下がり俺と距離を取ろうとするが____俺に距離なんて関係ねぇ。
「ガハッ…!!」
次の1歩を踏んだ瞬間ぶっ飛んだのは沙夜の服に手を掛けていた男で、残りの2人には逃げる隙を与えず1発ずつ入れて片が付いた。
「弱ぇ……俺の女に手ぇだすからだ」
男共から解放された沙夜は腰を抜かしたようで、ペタンと座り込んで立てないでいる。
チッと舌打ちをしてもう1発ずつ入れてやろうかと思ったけど、1秒でも速くここを離れるのが沙夜の為だと思い、沙夜を抱きかかえて保健室へと向かった。
保健室に入るや否や女の保険医は入ってきた俺らを見るとビクついて「体調不良?」と尋ねると「ベッドは自由に使ってね、先生ちょっと出るから」と一方的に話して行ってしまった。
まぁ、そっちの方が都合がいいんだけどな。
運良く1つも使われてないベッド、今この空間には沙夜と俺の2人きりだ。
沙夜をベッドに下ろすと俺もベッドに腰掛ける。



