だけどそれはとても深く腰にきてしまうようなキス。
漏れる自分の声とは思えない声。
その声に恥ずかしさを覚える。
激しいキスに意識が朦朧としてきて、もうどっちの唇か分からないほど感覚がなくなってきた。
___パンパン、と2度音が鳴り完全に持っていかれそうになっていた意識が現実に戻された。
ピタリとやんだキスの嵐、ゆっくりと離されていく唇が寂しく思え、まだキスしていたいとさえ思った。
音のした方を見ると忘れていた彼らの姿があった。
「お楽しみのとこ悪いけど今はやめろ」
そう言うのはヨウスケさん。
彼はチラリとリンさんに視線をよこし、私たちもその方向を見た。
リンさんは何とも言えない表情でこちらを見ていた。
ユカは呆れた顔で見ていて苦笑いしかできなかった。
そしてもう1人いるはずのあの女の姿が見当たらない。
『あれ?あの女は?』
「あー、あの子ならアンタたちのラブラブっぷりを見ていられなくて走って帰ってったわよ」
私も見ていられなかったけどね、と言ったユカにハハッと笑ってごまかした。
「で、結局両想い付き合って結果オーライでしょ?」
ユカの問いに『うん…まぁ』と少し照れながら返したら何かウザいという言葉と共に頭を叩かれて痛かった。
頭を叩かれたことによりずっと訊きたいと思っていたことを思い出した。
『ね、ねぇ!リンさんと誠人ってどういう関係?』
「ん?イケナイ関係」
『え?』
ハートが付きそうなくらい可愛く言ったリンさんに一瞬引いてしまって、「冗談だよ」と笑い飛ばされながら言われホッとした。
「リン、冗談でもやめろ。気持ち悪い」
「悪ぃ悪ぃ」
次はしっかりと答えてくれたリンさんにの話はこうだった。
中学の頃ヤンチャしてた誠人がリンさんとこの兵隊と喧嘩になったらしく、想像以上に強かった誠人は3対1だったにもかかわらずあっさりと勝ってしまったらしい。
そんな誠人に当時幹部だったリンさんはその強さに惚れてチームに誘ったらしいけど、そんなのに興味なかった誠人は即答でチームには入らないと断った。
まぁ、それがキッカケで仲良くなった誠人とリンさん。
リンさんは何度か誘ったらしいけど全てNO。
現在もスカウトは続いてるらしいけど、やっぱり断り続けているみたい。
『そう。なるほど』
「まぁ…そういうことだ。それに昨日も誘ってきやがった」
『ねぇ誠人』
「ん?」
『入らないでね』
「あぁ、入らねぇよ」
「おいおい沙夜ちゃんがそんなこと言ったらマジでコイツ入る可能性なくなるじゃんかよぉ」
「元から入る気なんてねぇつってるだろ」
2人の言い合いが可愛くて声を出して笑った。
笑ってたんだけど次はアレを思い出して笑いはピタリと止んだ。
『ねぇキスは?』
「は?キス?」
『さっきの女とのキス』
「あぁ、あー…」
あれな、と話し始めた誠人は誤解だと言った。



