何かを言おうとして告白され、再び固まった誠人は目をパチクリさせている。
「マジで、言ってんのか…?」
『マジだよっ…』
「マジ…かよ」
「ちょっと!何なのよアンタ!!」
あたしが先よ!と喚く女の存在を忘れてた私は女が喚いたことでようやく女の存在を思い出した。
「忘れてんじゃないわよ!」と怒って喚き散らしている。
再び私に向かって「何なのよアンタ」と喚いた女。
女の言葉に私は答えに迷った。
元カノ?私の片思い?
私たちの曖昧な関係に名前を付けるとしたら何?
私が必死になって悩んでいると誠人は私の肩に手を回して抱き寄せた。
その行動に今度は私が固まる番だった。
「この女?俺の女」
「何言ってんの?誠人君の彼女はあた___」
「違ぇよ」
誠人と女が言い合う中、私はそれをただ見てるしかなくて肩を抱かれたままソレを見てた。
私は誠人の彼女?そうだったの?待っていつから?
私たち別れたよね??
疑問ばかりが脳内を飛び交った。
密かにパニくってる私を他所に彼と女はまだ言い争ってる。
「だからさっき付き合えねーつったろ」
「何よ!話が違うじゃない!」
「だからもう限定で付き合うのはやめたんだよ」
理解しろよ、と呆れたように女に吐いた誠人。
誠人が1週間限定付きで付き合うことをやめた?
一体どういうこと?
ならさっきのキスは何なの?
誠人には訊きたいことがたくさんある。
「この女あれでしょ!相楽沙夜、私の学校でも有名よ遊び人ってね!」
「そーかよ」
心底どうでもいいかのように返事をした誠人。
「そんな女のどこがいいのよ。遊ばれて終わりよ?」
鼻で笑った女に、真剣な表情になった誠人を見て自然とピンッと背筋が伸びた。
惚れた男がジッと私を見つめる。
これ以上ない程にドキドキと心臓が五月蝿くて今にも壊れてしまうんじゃないかと心配する。
「沙夜」
幾度となく私を動かしたその声が私の名を呼ぶ。
「好きだ」
そして私の欲しかった言葉をいとも簡単にくれた。
『へっ…?』
と再び戸惑う私の体をギュッと抱きしめてもう一度、今度は耳元で「好きだ」と囁き、その瞬間私の思いは更に募った。
好きから愛しいという気持ちヘと変わり、抱きしめ返したいと思った。
「泣いてんじゃねーよ」
いつの間にか頬を涙が伝っていた。
流す涙を誠人が拭うと「また泣かせちまったな」と悲しそうな顔をした。
゛また゛ってどういうことだろう?



