あぁ、駄目だ…とてもじゃないけど直視なんてできない。



鼻血出るかもしれない。



誠人に早くしろよと急かされ、袖から腕だけを抜いてチューブトップ風にすると、ベッドに入ってシーツを胸が隠れるよう胸元まで持ってくる。



カメラを起動させて内カメに設定し、カメラを構える。



『撮るよ?』

「あぁ」



カシャとシャッター音が鳴り響いてケータイには今撮った写真が映し出される。



それはもう、ちゃんとそういう後のものにしか見えなくて、これで誠人はしつこくされなくなるだろうと思った。



『今送ったからそれを見せればいい』

「あぁ、サンキュ」

『別に礼を言われるほどのもんじゃない』



自分でも可愛くない言い方だと思う。

悲しい…苦しい…虚しい。

不の感情が混ざり合う。


もう用は済んだしどうするか。




『誠人どうする?』

「帰るわ」

『そっか。じゃあ…』




それじゃあ、もう…。



『終わりだね』



お願いだから誠人は何も言わずにただ聞いてて。



『1週間ありがとう。この1週間楽しかったことの方が少なかったけど…わりと楽しかったよ』



優しかったのは最初の2日間くらいまでだったよね。

私はそのまま言葉を続ける。



『まさ「沙夜」



誠人は私の言葉を遮った。
嫌な予感しかしない。


いや…ヤダ…お願いだから何も言わないで。


その言葉の先を___



「好きになれなかった。別れよう」



言わないで…ほしかった。

今の私は、そっか~と軽く流すことができない。



『誠人帰って…』



可愛くない私はまだ上半身裸のままの誠人の背中を押してそう言う。