気づいて目を逸らしたけど、それから何故か誠人の顔が見ずらくて顔を上げることができなかった。
注文してからしばらくして「おまたせしました」と誠人のカルボナーラと私のバジルパスタが運ばれてくるとようやく顔を上げた。
目の前に置かれたバジルパスタに早く食べたいと思う衝動を抑えながら彼が先に食べるのを待つ。
誠人はフォークで卵を突いてトロトロに崩すと麺とよく絡ませ、それを豪快に口の中へと運んだ。
誠人が「うめぇ」と呟いたとき私はようやくバジルパスタを口にした。
美味しい…久しぶりに食べたな。
とても美味しいパスタを完食して会計を済ませて映画館に戻ると、時刻は5分前でギリギリセーフ。
゛2゛と書かれたところに入ってチケットに書かれた席を探す。
「あった」
誠人が見つけて座ると、その隣に腰を下ろした。
そして暗くなった館内
流れゆく予告を見つめ、前を向きながらも度々意識は横へと移る。
_________…
「…お____起きろ」
『ん…まっ…』
待って、今起きるから。
「早く起きねぇとお仕置きすんぞ」
おし、おき…お仕置き!?
『ダメ!!』
自分で自分を抱くように腕をクロスさせると誠人がは??と言うような顔をした。
しまった…拒絶してしまった。
でも決して嫌ってわけじゃなくて、これは恥ずかしさからの゛ダメ゛で。
『ごめ__』
ごめん、と謝ろうとしたら「別にいいけどよ」と言われてしまい気分が落ちてしまった。
「つーか何でクライマックスで寝んだよ」
聞きながら差し出された手…それが嬉しくてそっと握ると握り返してくれた。
また手を握ってくれるから嫌じゃないのか。
それとも、まだ理想の彼氏を演じて嫌々ながら私と手を握っているのか分からない。



