「沙夜先輩」



SHRが終わり、昇降口に向かうと誠人はすでにいた。

お昼、あの屋上でこれからは昇降口で待つようにと言ったのだ。


教室まで迎えに来られちゃあたまったもんじゃない。


靴に履き替えて外に出ると、午後に起こった不思議な出来事を話すことにした。




『あのさ、休み時間に私とユカ以外の人のケータイに一斉にメールが入ったんだよね。しかも皆同じ内容だったらしい』

「それ俺のクラスも」

『え?そうなの?誠人にも来た?』

「いや俺にはきてねーけど俺以外はきてた」

『じゃあ他のクラスもなのかな?』

「だと思う」

『なんだろうね?』

「そうだな」

『てか、そのメール見た人が私をチラチラ見てたんだよね』

「へぇ」

『私が関係あんのかな?』

「気にしなくていいだろ」

『そっか』




そうだよね、私にメールが来たわけでもないし、そこまで気にするようなことでもない。



私は誠人の言ったと通り気にしないことにした。



その後は手を繋いで放課後デートをし、家まで送り届けてもらい、またもや額に唇を落として帰っていった。




『なんでキスするの…』





そのキスの意味は不明、だけど嫌じゃないと思う自分もいる。



今日もキスの意味を考えては、不思議な思いを抱きながら意識をそっと手放した。