俺は、無我夢中で走った。

家を飛び出て、ひたすら走った。

でも、行くあてなんてない。

それでも逃げ出したかった。



ガヤガヤうるさい夜の街に出た。

もう無理だ…。

細い路地に入った瞬間、全身の力が抜けた。

バタッ。

その場に倒れ込んだ。