桜木 清香(さくらぎさやか)17歳。
高校2年生、今日も運転手が私を待っている。
「清香様おはようございます、それでは参りましょう」
「おはよう山本さん。うん!」


私は、世間から見たらきっとお嬢様だ。
大きいお家に、数々の高級車、グアムにある別荘に、軽井沢にある温泉付きの別荘、それに運転手さんまで着いてくれている。基本的に私の周りのことは、全部お手伝いさんの真由美さんがやってくれるから私は何も出来ない子になっちゃったんだ。


ん??何あの人、なんか道で倒れてる?!
「ちょ、ちょっと山本さん!!」
「どうされましたか?清香様」
「あ、あれ見て!人が倒れてる!!助けなきゃ止めて止めて!!」
「あ、え?!はいかしこまりました。」
バタンと重い車の扉を開ける。
私はいつの間にか走り出してお爺さんの元に駆け寄っていた。山本さんの私を呼ぶ声が薄ら聞こえる。