「お会計して?」


「意味わかんね。ムリ。」


「もう…本当にムリなんだよ。」


「泣くなよ…」



我慢、出来なかった。

優しくされたら…我慢できないよ。



「ごめん。帰るわ、本当に。」


ちょうど良く、リョウマくんのお客さんがシャンパンを入れたらしく、席を離れなきゃいけなくなった。

「待ってろよ」
そう言われたけど…弱虫なアタシは、逃げるしかなかった。



アタシの元へ現われたのは…

「蓮くん……」


「どうした?もう、帰るの?」


「うん、お会計してくれるかな?」


「してあげたいんだけど……」


「頼まれたのね。」


「バレバレか(笑)?」


「うん。」


「ちょっと、話さないか?」


「何を?」


「リョウマのこと。」


「もう…話すこともないし、何も聞きたくないから…」


「そう言わずにさ…聞いて」