無性に泣きたくなって。


「あっ、DVD借りてくるの忘れた!見たいやつあったのに…。ちょっと借りてくるね。」


「いいよ、俺が行ってくるよ。」


「大丈夫!たまにはゆっくりしてて?ちゃんと化粧もしてるしさ。」


不思議そうな顔をしてアタシを見ていたけど。


アタシは再び家を出た。



どうしてアタシは泣いているのだろう?

どうしてこんなにも不安なんだろう?

どうしてアタシは彼の彼女じゃないんだろう?

どうしてアタシは彼に惚れてしまったんだろう?



色々な思いに駆られ、涙は止まらなかった。

カバンの中にあるサングラスを急いでかける。

そして、レンタルショップに入った。



どれでもいい。

実際、見たいDVDなんか思いつかないから。

適当にDVDを借りて、そそくさとショップを出る。



今のアタシは、きっと不審者に違いない。