「寒かっただろ。」


そう言って、アタシに暖かいココアを入れてくれた。


今まで使っていたマグカップに。




「ありがとう。」


「風邪ひかないように、ちゃんとあったまれ。」


「うん。」




こんなにもリョウマくんは優しいのに…

胸の中のモヤモヤは消えてはくれなくて。

買ってきたお揃いのマグカップはカバンの中に入ったままだ。




〜〜〜♪♪♪

リョウマくんの携帯がなる。

さり気なくディスプレイを見ると“朋美”と表示されていた。



それを見ないフリをして、

「出ないの?」

と聞いてみる。



「だりぃから出ない。」


「ふぅ〜ん。」



必死で興味のないフリをしてみるけど、内心は…

どうして出ないの?

アタシに聞かれちゃマズイ話でもあるの?

と…気が気じゃなかった。