彼が出て行ってから、足りないものに気付き、電話をかける。


〜〜〜♪♪♪


「ん?」



鳴ったのは部屋の中。

リビングのテーブルの上に置かれたままになっている携帯。

ディスプレイには
遊姫



そんな些細なことでさえ、嬉しく思えた。



「ただいまぁ〜」


「あっ、おかえり。」


「見たいって言ってたDVDやっとあったよ!
早く見てぇ〜!」


「マジ?!じゃあ、早くゴハン作るね!」


「俺も手伝うよ!」


「いいよ。寒いでしょ。あったまってなよ。」


「じゃあ…」


「……////」


「こうやってればあったかい。」



いきなり後ろからアタシを抱き締めて。

しかも、強く。



「ご飯作れないよ。」


「やだ。」


「じゃあ、離れて。」


「それもやだ。」