アタシがあなたのせいで、どれだけの涙を流したか知らないでしょ。
だけど。
アタシたちは付き合ってない。
こうやって、彼の前で嫉妬をし、ワガママを言っているのはお門違いも良いところだ。
それでもアタシの機嫌を取ろうとするリョウマくんに、少なからず感謝をすべきなのかもしれない。
そう思ったら、自分のやっていることが間違いだと、ハッキリと自覚した。
「ねぇ、今日仕事は?」
「あるけど、行かねぇ。」
「何で?行きなよ。」
「ダルい。だったらここでずーっと遊姫ちゃんと抱き合ってたほうが良い。」
「バカなこと言って。
早く、準備してよ。行くよ?」
「は?」
間の抜けたリョウマくんの声を、初めて聞いたと思う。
「同伴するから。
そうすれば、遅刻にもならないでしょ?」
「いや、そうだけど…」
「ホストなら、ちゃんとホストらしくしないとね。」

