電話を切った後、


「わりぃ。用事出来たから今日は帰るわ。」


用事…か。




ダルそうにスーツに着替えるリョウマくん。

どうしていいか分からず、窓の外を見るアタシのことを後ろから抱き締めた。



「ごめんね。本当はもっと一緒にいたかったよ。今日も…会いたい。」


「うん。」


「また連絡するわ。」


「分かった。」



まんまと彼の思惑にハマっていってしまうんだ。

バカなアタシ。



ホストだから。

他にもアタシみたいな女がいるのは、むしろ普通なのかもしれない。

ムダにプラス思考になって。



「じゃあ、またな。」


去っていく彼を、見つめることしかしなかった。