夏華さんには、全てお見通しなんだと思った。

キャバクラで働いてると、色んな人間に出会う。
だからこそ、人を観察し、見抜く力が自然と身についてしまう。



「恋をすると、仕事も頑張れるわよっ!」


「………////!」


「可愛いっ!赤くなっちゃってぇ〜!
んじゃ、頑張ってね!」



ストレートに言われてしまい、顔が赤くなったのが自分でも分かった。


いつからアタシは、こんなに純粋な乙女心を取り戻したのだろう。




外に出ると、リョウマくんはタバコを吸いながら壁に寄りかかっていた。




「ごめん…。お待たせ。」


「全然。」


「どこ行くの?」


「どこでも良いよ?」


「……アタシ決められないよ。」


「遊姫ちゃんの行きたいトコ行こうよ。」



あなたと一緒なら、どこでも良いだなんて恥ずかしい言葉を言えるわけもなく。