黒服に呼ばれて、アタシはリョウマくんたちの席に移る。


「待ってたよ〜!」

だなんて言ってくれるリョウマくんに、胸がキュンとしてしまう。



席に付いて目についたのは…もうすでに空いて、逆さまになったシャンパンのビン。



夏華さんはまだ戻って来てはいない。



「あの…これ…?」


「あぁ、ミナミちゃんがシャンパン飲みたいって言ったから、とりあえず入れたよ。」


「そう…。ありがとう。」


売り上げはアタシと夏華さんにつく。

本当だったら、感謝しなきゃいけないのに…

今のアタシには、心から感謝することができなくなっていた。



“公私混同”
まさに、今のアタシにピッタリな言葉だ。