「…………わかったわ、家まで送る」


 家にまで来るなんて冗談じゃない。あの叔父に、彼女を会わせるわけにはいかない……何をするかわからない叔父の前に、この子を出すなんてことは絶対に避けたい。


「いい、一人で帰れる」


 拒絶の言葉を返す。だけど、ここから歩いて一人で帰るの? 無理だよ。足が万全ならまだしも、今の私じゃ遠すぎる。
 でも、優しい貴女は私の為に何かをしてくれるでしょ? と頭の中で考えてしまう。我ながら酷い性格だ。


「なら、タクシーを呼ぶわ。お金も払う。それでもいい?」


 ほらね、君は優しすぎる。
 その瞳の向こうは相変わらず何を考えているかわからないけど、私のことを考えてくれているんだというのはわかったよ。
 私は頷いた。だけどその分、罪悪感だけが増えていく。迷惑をかけたくないといいつつ、利用している自分にとても罪悪感が湧くのだ。


「その代わり――」