君のブレスが切れるまで

 酷い顔、醜い痣。嫌いだ、こんな自分の姿を見ると死にたくなってくる。


 そんな考えをしていると、浴室の扉からコンコンとノックする音が聞こえてきた。私は鍵を掛けていなかったことを思い出し、びっくりしてすぐにカーテンを閉める。


「バスタオルと替えの服を持ってきたのだけど、外へ置いておくと汚れてしまうから中に入れてもいい?」
「…………外でいい。入ってこないで」


 自分の世界に入っていたのを邪魔された影響か、思ったよりも低い声が出た。別にカーテンがあるから体を見られるわけじゃないし、中に置いてもらってもいいはずなのに。


「わかったわ。ごめんなさい」


 残念そうでもなんでもない声、無表情で何を考えているのかわからないあの子の顔が思い浮かぶ。だけど、なんとなく胸の奥がチクリと痛い。


 せっかくここまでしてくれている。今からでも訂正しよう、今なら不自然なくできる。だけど……。


 やっぱり中に置いて、その一言だけでいいのに。私の姿を見られて変に思われたらどうしようなんて、考えが邪魔をする。今更、誰にどう思われたっていいはずなのに。
 激しい雨に似た、シャワーの流れる音だけが響き渡る。
 多分、まだあの子は扉の向こうにいる。その中で私が出した答えは――